サポートされる Yum ベースのプラットフォーム (リストについてはセクション2.5.1「MySQL Yum リポジトリを使用して MySQL を Linux にインストールする」を参照してください) では、MySQL Yum リポジトリを使用して、MySQL のインプレースアップグレード (つまり、古いバージョンを置換して、古いデータファイルに対して新しいバージョンを実行) を実行できます。
MySQL に対して更新を実行する前に、セクション2.11.1「MySQL のアップグレード」の手順に慎重に従ってください。そこで議論されている手順のうち、更新の前にデータベースのバックアップを取ることが特に重要です。
次の手順では、MySQL Yum リポジトリを使用して MySQL をインストールしたことを前提としています。そうでない場合は、セクション2.5.2「サードパーティーの MySQL 配布を MySQL Yum リポジトリを使用して置換する」の手順に従ってください。
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ターゲットシリーズの選択
デフォルトでは、MySQL Yum リポジトリは、インストール中に選択したリリースシリーズ内の最新バージョンに MySQL を更新します (詳細はSelecting a Release Seriesを参照してください)。つまり、たとえば 5.6.x インストールは 5.7.x リリースに自動的には更新されません。別のリリースシリーズに更新するには、(デフォルトで、または自分で) 選択したシリーズのサブリポジトリを無効にし、ターゲットシリーズのサブリポジトリを有効にする必要があります。それをするには、 Selecting a Release Seriesで説明されている、
/etc/yum.repos.d/mysql-community.repo
ファイル内のサブリポジトリのエントリを編集するための手順に従います。原則として、あるリリースシリーズから別のものにアップグレードするには、シリーズをスキップせずに次のシリーズに移動します。たとえば、現在 MySQL 5.5 を稼働していて、5.7 にアップグレードする場合は、MySQL 5.7 にアップグレードする前にまず 5.6 にアップグレードします。
重要MySQL 5.6 から 5.7 へのアップグレードに関する重要な情報については、「Upgrading from MySQL 5.6 to 5.7」を参照してください。
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MySQL のアップグレード
次のコマンドで MySQL およびそのコンポーネントをアップグレードします。
shell> sudo yum update mysql-server
または、Yum に対してシステム上のすべてを更新するように指示することで、MySQL を更新することもできます (これにはかなり時間がかかる場合があります)。
shell> sudo yum update
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MySQL の再起動
MySQL Server は、Yum による更新後必ず再起動します。サーバーの再起動後、mysql_upgrade を実行して、古いデータとアップグレードされたソフトウェアとの間の非互換性をチェックし、あれば解決します。mysql_upgrade はその他の機能も実行します。詳細は、セクション4.4.7「mysql_upgrade — MySQL テーブルのチェックとアップグレード」を参照してください。
特定のコンポーネントのみを更新することもできます。次のコマンドを使用して、MySQL コンポーネントのインストール済みのすべてのパッケージをリストできます。
shell> sudo yum list installed | grep "^mysql"
選択したコンポーネントのパッケージ名を特定したら、次のコマンドで package-name
をそのパッケージ名に置換して、パッケージを更新します。
shell> sudo yum update package-name
共有クライアントライブラリのアップグレード
Yum リポジトリを使用して MySQL を更新したあとも、古いバージョンの共有クライアントライブラリを使用してコンパイルされたアプリケーションは機能するはずです。
アプリケーションを再コンパイルして、更新されたライブラリに動的にリンクする場合: 一般的に、新しいバージョンの共有ライブラリでは新旧ライブラリ間でシンボルバージョン管理に違いや追加があるため (たとえば、新しい標準 5.6 共有クライアントライブラリと、Linux 配布のソフトウェアリポジトリによってネイティブで出荷された、またはその他のソースからの一部の古い (以前のまたはバリアントの) バージョンの共有ライブラリとの間で)、更新された新しい共有ライブラリを使用してコンパイルされたアプリケーションは、アプリケーションが配備されるシステム上で更新済みのライブラリを必要とします。また、これらのライブラリがない場合は、共有ライブラリを必要とするアプリケーションは予想どおり失敗します。したがって、MySQL からの共有ライブラリのパッケージを、必ずこれらのシステムに配備してください。これは、MySQL Yum リポジトリをシステムに追加し (Adding the MySQL Yum Repositoryを参照してください)、Installing Additional MySQL Products and Components with Yumに記載の手順を使用して最新の共有ライブラリをインストールすることによって実行できます。