MySQL をソースコードからビルドすると、ビルドパラメータ、コンパイラ最適化、およびインストールの場所をカスタマイズできます。MySQL を実行できることがわかっているシステムのリストは、https://www.mysql.com/support/supportedplatforms/database.htmlを参照してください。
ソースからのインストールに進む前に、使用しているプラットフォーム用に事前コンパイルされたバイナリ配布をオラクルが作成しているかどうか、およびそれがニーズに適合しているかどうかをチェックしてください。弊社は、パフォーマンスを最適化するために、最善のオプションでバイナリをビルドすることを保証するべく多大な努力をしています。バイナリ配布のインストール手順は、セクション2.2「一般的なバイナリを使用した MySQL の Unix/Linux へのインストール」を参照してください。
ソースのインストール方法
MySQL をソースからインストールするには、2 つの方法があります。
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標準の MySQL ソース配布を使用します。標準の配布を取得するには、セクション2.1.3「MySQL の取得方法」を参照してください。標準の配布からのビルドの詳細は、セクション2.9.2「標準ソース配布を使用して MySQL をインストールする」を参照してください。
標準の配布は、圧縮 tar ファイル、Zip アーカイブ、または RPM パッケージとして入手可能です。配布ファイルは、
mysql-
,VERSION
.tar.gzmysql-
、またはVERSION
.zipmysql-
という形式の名前を持ちます。ここで、VERSION
.rpmVERSION
は5.6.23
などの番号です。ソース配布のファイル名は汎用でプラットフォーム名を含まないのに対し、バイナリ配布名にはその配布が対象とするシステムのタイプを示すプラットフォーム名が含まれる (たとえば、pc-linux-i686
またはwinx64
) ことから、ソースファイルを事前コンパイル済みのバイナリ配布と区別できます。 MySQL 開発ツリーを使用します。開発ツリーからのビルドの詳細は、セクション2.9.3「開発ソースツリーを使用して MySQL をインストールする」を参照してください。
ソースインストールのシステム要件
MySQL をソースからインストールするためには、いくつかの開発ツールが必要です。これらのツールの一部は、標準ソース配布または開発ソースツリーのいずれを使用するかにかかわらず必要です。その他のツールは、どちらのインストール方法を使用するかによって必要かどうかが決まります。
MySQL をソースからインストールするには、インストール方法にかかわらず次のツールがシステムになければなりません。
CMake。これはすべてのプラットフォームでビルドフレームワークとして使用されます。CMake は http://www.cmake.org からダウンロードできます。
優良な make プログラム。一部のプラットフォームには独自の make 実装が備わっていますが、GNU make 3.75 以降を使用することを強くお勧めします。これは、使用しているシステムですでに gmake として使用可能になっている場合があります。GNU make は、http://www.gnu.org/software/make/ から入手可能です。
動作する ANSI C++ コンパイラ。GCC 4.2.1 以降、Sun Studio 12 以降、Visual Studio 2010 以降、および多くの最新のベンダー供給のコンパイラが機能することが知られています。
テストスクリプトを実行する場合は、Perl が必要です。ほとんどの Unix 類似システムには Perl が含まれます。Windows では、ActiveState Perl などのバージョンが使用できます。
MySQL を標準ソース配布からインストールするには、配布ファイルをアンパックするために次のツールのいずれかが必要です。
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.tar.gz
で圧縮された tar ファイルの場合: 配布を圧縮解除するための GNUgunzip
、およびそれをアンパックするための妥当な tar。使用している tar プログラムがz
オプションをサポートする場合は、ファイルの展開とアンパックの両方を実行できます。GNU tar が機能することが知られています。一部のオペレーティングシステムで提供される標準の tar は、MySQL 配布内の長いファイル名をアンパックできません。GNU tar をダウンロードしてインストールするか、プリインストールバージョンの GNU tar が利用可能であればそれを使用します。通常、これは gnutar、gtar、または tar という名前です (
/usr/sfw/bin
または/usr/local/bin
などの GNU または Free Software ディレクトリ内)。GNU tar は、http://www.gnu.org/software/tar/ から入手可能です。 .zip
Zip アーカイブの場合: WinZip または.zip
ファイルを読み取ることができるその他のツール。.rpm
RPM パッケージの場合: 配布のビルドに使用される rpmbuild プログラムでアンパックできます。
MySQL を開発ソースツリーからインストールするには、次の追加ツールが必要です。
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開発ソースコードを取得するには、次のリビジョン管理システムが必要です。
Git: GitHub ヘルプには、さまざまなプラットフォームに Git をダウンロードしてインストールするための説明があります。MySQL は、2014 年 9 月に正式に GitHub に参加しました。MySQL の GitHub への移動の詳細は、MySQL Release Engineering ブログ MySQL on GitHub のお知らせを参照してください。
Bazaar: Bazaar VCS Web サイトには、さまざまなプラットフォームに Bazaar をダウンロードしてインストールするための説明があります。Bazaar は、Python をサポートするすべてのプラットフォームでサポートされ、そのためすべての Linux、Unix、Windows、または OS X ホストと互換です。
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bison 2.1 以降。http://www.gnu.org/software/bison/ から入手可能です。(バージョン 1 はサポートされなくなりました。)可能であれば bison の最新バージョンを使用します。問題が生じた場合は、以前のバージョンに戻るのではなく、より新しいバージョンにアップグレードします。
bison は、http://www.gnu.org/software/bison/ から入手可能です。
bison
for Windows は、http://gnuwin32.sourceforge.net/packages/bison.htm からダウンロードできます。「Complete package, excluding sources」 のラベルのパッケージをダウンロードします。Windows では、bison のデフォルトの場所はC:\Program Files\GnuWin32
ディレクトリです。ディレクトリ名にスペースが含まれるため、一部のユーティリティーでは bison を検索できない場合があります。また、パスにスペースがある場合 Visual Studio がフリーズすることがあります。これらの問題は、たとえばC:\GnuWin32
など、スペースを含まないディレクトリにインストールすることで解決できます。 OpenSolaris および Solaris Express では、bison のほかに m4 もインストールされていなければなりません。m4 は http://www.gnu.org/software/m4/ から入手可能です。
プログラムをインストールする必要がある場合は、PATH
環境変数を、プログラムが置かれるディレクトリを含むように変更します。セクション4.2.10「環境変数の設定」を参照してください。
問題が発生してバグをレポートする必要が生じた場合には、セクション1.6「質問またはバグをレポートする方法」 の手順に従ってください。