events_statements_current
テーブルには、スレッドの最新のモニター対象ステートメントイベントの現在のステータスを示す、スレッドごとに 1 行で現在のステートメントイベントが格納されます。
events_statements_current
テーブルは TRUNCATE TABLE
で切り捨てることができます。
ステートメントイベント行を格納するテーブルのうち、events_statements_current
はもっとも基本的です。ステートメントイベント行を格納するほかのテーブルは論理的に現在のイベントから派生します。たとえば、events_statements_history
および events_statements_history_long
テーブルは固定の行数以下の最新のステートメントイベントのコレクションです。
ステートメントイベント収集の構成については、セクション22.9.6「パフォーマンススキーマステートメントイベントテーブル」を参照してください。
events_statements_current
テーブルにはこれらのカラムがあります。
-
THREAD_ID
、EVENT_ID
イベントに関連付けられたスレッドとイベントの起動時のスレッドの現在のイベント番号。一緒に取得された
THREAD_ID
およびEVENT_ID
値は、行を一意に識別する主キーを形成します。2 つの行が同じ値のペアを持つことはありません。 -
END_EVENT_ID
このカラムは、イベントの起動時に
NULL
に設定され、イベントの終了時にスレッドの現在のイベント番号に更新されます。このカラムは、MySQL 5.6.4 で追加されました。 -
EVENT_NAME
イベントが収集されたインストゥルメントの名前。これは
setup_instruments
テーブルからのNAME
値です。セクション22.4「パフォーマンススキーマインストゥルメント命名規則」に説明するように、インストゥルメント名には複数の部分があり、階層を形成することがあります。SQL ステートメントの場合、ステートメントが解析されるまで、
EVENT_NAME
値は最初statement/com/Query
であり、その後セクション22.9.6「パフォーマンススキーマステートメントイベントテーブル」に説明するように、より適切な値に変更されます。 -
SOURCE
イベントを生成した、インストゥルメントされたコードを格納するソースファイルの名前と、インストゥルメンテーションが行われたファイルの行番号。これにより、ソースをチェックして、コードに含まれるものを正確に判断することができます。
-
TIMER_START
、TIMER_END
、TIMER_WAIT
イベントのタイミング情報。これらの値の単位はピコ秒 (秒の 1 兆分の 1) です。
TIMER_START
およびTIMER_END
値は、イベントのタイミングが開始されたときと終了したときを示します。TIMER_WAIT
はイベントの経過時間 (期間) です。イベントが終了していない場合、
TIMER_END
とTIMER_WAIT
はNULL
です。イベントが
TIMED = NO
のインストゥルメントから生成されている場合、タイミング情報は収集されず、TIMER_START
、TIMER_END
、およびTIMER_WAIT
はすべてNULL
になります。イベント時間の単位としてのピコ秒および時間値に影響する要因については、セクション22.2.3.1「パフォーマンススキーマイベントタイミング」を参照してください。
-
LOCK_TIME
テーブルロックの待機に費やされた時間。この値はマイクロ秒で計算されますが、ほかのパフォーマンススキーマタイマーとの比較を容易にするため、ピコ秒に正規化されます。
-
SQL_TEXT
SQL ステートメントのテキスト。SQL ステートメントに関連付けられていないコマンドの場合、値は
NULL
です。 -
DIGEST
32 個の 16 進文字の文字列としてのステートメントダイジェスト MD5 値または
statement_digest
コンシューマがno
の場合はNULL
。ステートメントダイジェストの詳細については、セクション22.7「パフォーマンススキーマステートメントダイジェスト」を参照してください。このカラムは、MySQL 5.6.5 で追加されました。 -
DIGEST_TEXT
正規化されたステートメントダイジェストテキストまたは
statement_digest
コンシューマがno
の場合はNULL
。ステートメントダイジェストの詳細については、セクション22.7「パフォーマンススキーマステートメントダイジェスト」を参照してください。このカラムは、MySQL 5.6.5 で追加されました。 -
CURRENT_SCHEMA
ステートメントのデフォルトのデータベース、何もない場合は
NULL
。 -
OBJECT_SCHEMA
、OBJECT_NAME
、OBJECT_TYPE
予約済み。現在は
NULL
。 -
OBJECT_INSTANCE_BEGIN
このカラムはステートメントを識別します。この値はメモリー内のオブジェクトのアドレスです。
-
MYSQL_ERRNO
ステートメント診断領域からのステートメントエラー番号。
-
RETURNED_SQLSTATE
ステートメント診断領域からのステートメント SQLSTATE 値。
-
MESSAGE_TEXT
ステートメント診断領域からのステートメントエラーメッセージ。
-
ERRORS
ステートメントにエラーが発生したかどうか。SQLSTATE 値が
00
(完了) または01
(警告) から始まる場合、値は 0 です。SQLSTATE 値がほかの値の場合、値は 1 です。 -
WARNINGS
ステートメント診断領域からの警告数。
-
ROWS_AFFECTED
ステートメントに影響を受けた行数。「影響を受けた」の意味については、セクション23.7.7.1「mysql_affected_rows()」を参照してください。
-
ROWS_SENT
ステートメントから返された行数。
-
ROWS_EXAMINED
ステートメント実行中にストレージエンジンから読み取られた行数。
-
CREATED_TMP_DISK_TABLES
Created_tmp_disk_tables
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
CREATED_TMP_TABLES
Created_tmp_tables
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SELECT_FULL_JOIN
Select_full_join
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SELECT_FULL_RANGE_JOIN
Select_full_range_join
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SELECT_RANGE
Select_range
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SELECT_RANGE_CHECK
Select_range_check
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SELECT_SCAN
Select_scan
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SORT_MERGE_PASSES
Sort_merge_passes
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SORT_RANGE
Sort_range
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SORT_ROWS
Sort_rows
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
SORT_SCAN
Sort_scan
ステータス変数と同様ですが、ステートメントに固有です。 -
NO_INDEX_USED
ステートメントがインデックスを使用せずにテーブルスキャンを実行した場合は 1、そうでない場合は 0。
-
NO_GOOD_INDEX_USED
サーバーがステートメントに使用する適切なインデックスを見つけられなかった場合は 1、そうでない場合は 0。追加の情報については、セクション8.8.2「EXPLAIN 出力フォーマット」で、
EXPLAIN
出力のExtra
カラムのRange checked for each record
値の説明を参照してください。 -
NESTING_EVENT_ID
、NESTING_EVENT_TYPE
予約済み。現在は
NULL
。
events_statements_current
テーブルは MySQL 5.6.3 で追加されました。