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MySQL 5.6 リファレンスマニュアル
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14.14.2.1 InnoDB トランザクションおよびロックテーブルの使用例

例 14.11 ブロックしているトランザクションの識別

別のトランザクションをどのトランザクションがブロックしているかを識別できると役立つ場合があります。INFORMATION_SCHEMA テーブルを使用すると、別のトランザクションをどのトランザクションが待機しているかや、どのリソースが要求されているかを見つけることができます。

3 人のユーザーが同時に実行している次のシナリオがあるとします。各ユーザー (またはセッション) は MySQL スレッドに対応し、あるトランザクションを別のトランザクションのあとに実行します。これらのユーザーが次のコマンドを発行したが、まだだれも自分のトランザクションをコミットしていないときのシステムの状態を考えてみてください。

  • ユーザー A:

    BEGIN;
    SELECT a FROM t FOR UPDATE;
    SELECT SLEEP(100);
  • ユーザー B:

    SELECT b FROM t FOR UPDATE;
  • ユーザー C:

    SELECT c FROM t FOR UPDATE;

このシナリオでは、次のクエリーを使用して、だれがだれを待機しているかを確認できます。

SELECT r.trx_id waiting_trx_id,  
       r.trx_mysql_thread_id waiting_thread,
       r.trx_query waiting_query,
       b.trx_id blocking_trx_id, 
       b.trx_mysql_thread_id blocking_thread,
       b.trx_query blocking_query
   FROM       information_schema.innodb_lock_waits w
   INNER JOIN information_schema.innodb_trx b  ON  
    b.trx_id = w.blocking_trx_id
  INNER JOIN information_schema.innodb_trx r  ON  
    r.trx_id = w.requesting_trx_id;
waiting trx id waiting thread waiting query blocking trx id blocking thread blocking query
A4 6 SELECT b FROM t FOR UPDATE A3 5 SELECT SLEEP(100)
A5 7 SELECT c FROM t FOR UPDATE A3 5 SELECT SLEEP(100)
A5 7 SELECT c FROM t FOR UPDATE A4 6 SELECT b FROM t FOR UPDATE

上の結果では、waiting queryまたはblocking queryでユーザーを識別できます。次のことがわかります。

  • ユーザー B (trx id 'A4'、スレッド 6) とユーザー C (trx id 'A5'、スレッド 7) はどちらも、ユーザー A (trx id 'A3'、スレッド 5) を待機しています。

  • ユーザー C は、ユーザー A のほかにユーザー B を待機しています。

テーブル INNODB_TRXINNODB_LOCKS、および INNODB_LOCK_WAITS 内のベースとなるデータを確認できます。

次の表は、INFORMATION_SCHEMA.INNODB_TRX の内容のいくつかのサンプルを示しています。

trx id trx state trx started trx requested lock id trx wait started trx weight trx mysql thread id trx query
A3 RUN­NING 2008-01-15 16:44:54 NULL NULL 2 5 SELECT SLEEP(100)
A4 LOCK WAIT 2008-01-15 16:45:09 A4:1:3:2 2008-01-15 16:45:09 2 6 SELECT b FROM t FOR UPDATE
A5 LOCK WAIT 2008-01-15 16:45:14 A5:1:3:2 2008-01-15 16:45:14 2 7 SELECT c FROM t FOR UPDATE

次の表は、INFORMATION_SCHEMA.INNODB_LOCKS の内容のいくつかのサンプルを示しています。

lock id lock trx id lock mode lock type lock table lock index lock space lock page lock rec lock data
A3:1:3:2 A3 X RECORD `test`.`t` `PRIMARY` 1 3 2 0x0200
A4:1:3:2 A4 X RECORD `test`.`t` `PRIMARY` 1 3 2 0x0200
A5:1:3:2 A5 X RECORD `test`.`t` `PRIMARY` 1 3 2 0x0200

次の表は、INFORMATION_SCHEMA.INNODB_LOCK_WAITS の内容のいくつかのサンプルを示しています。

requesting trx id requested lock id blocking trx id blocking lock id
A4 A4:1:3:2 A3 A3:1:3:2
A5 A5:1:3:2 A3 A3:1:3:2
A5 A5:1:3:2 A4 A4:1:3:2

例 14.12 情報スキーマテーブル内のトランザクションデータのより複雑な例

場合によっては、内部の InnoDB ロック情報を MySQL で保持されているセッションレベルの情報と関連付けたいことがあります。たとえば、特定の InnoDB トランザクション ID について、ロックを保持しているために別のトランザクションをブロックしている可能性があるユーザーの対応する MySQL セッション ID と名前を知りたいことがあります。

INFORMATION_SCHEMA テーブルからの次の出力は、ある程度負荷の高いシステムから取得されました。

次の表からわかるように、実行中のトランザクションが複数存在します。

次の INNODB_LOCKS および INNODB_LOCK_WAITS テーブルは、次のことを示しています。

  • トランザクション 77F (INSERT を実行中) は、トランザクション 77E77D、および 77B がコミットするのを待機しています。

  • トランザクション 77E (INSERT を実行中) は、トランザクション 77D および 77B がコミットするのを待機しています。

  • トランザクション 77D (INSERT を実行中) は、トランザクション 77B がコミットするのを待機しています。

  • トランザクション 77B (INSERT を実行中) は、トランザクション 77A がコミットするのを待機しています。

  • トランザクション 77A は実行中であり、現在 SELECT を実行しています。

  • トランザクション E56 (INSERT を実行中) は、トランザクション E55 がコミットするのを待機しています。

  • トランザクション E55 (INSERT を実行中) は、トランザクション 19C がコミットするのを待機しています。

  • トランザクション 19C は実行中であり、現在 INSERT を実行しています。

2 つのテーブル INNODB_TRX.TRX_QUERYPROCESSLIST.INFO に示されているクエリー間に不整合が存在する可能性があることに注意してください。いずれかの特定のスレッドについて、そのスレッドの現在のトランザクション ID や、そのトランザクションで実行されているクエリーがこれらの 2 つのテーブルで異なる可能性があります。説明については、セクション14.14.2.3.1「PROCESSLIST データとの不整合の可能性」を参照してください。

次の表は、重いワークロードを実行しているシステム内の INFORMATION_SCHEMA.PROCESSLIST の内容を示しています。

ID USER HOST DB COMMAND TIME STATE INFO
384 root localhost test Query 10 update insert into t2 values …
257 root localhost test Query 3 update insert into t2 values …
130 root localhost test Query 0 update insert into t2 values …
61 root localhost test Query 1 update insert into t2 values …
8 root localhost test Query 1 update insert into t2 values …
4 root localhost test Query 0 preparing SELECT * FROM processlist
2 root localhost test Sleep 566 NULL

次の表は、重いワークロードを実行しているシステム内の INFORMATION_SCHEMA.INNODB_TRX の内容を示しています。

trx id trx state trx started trx requested lock id trx wait started trx weight trx mysql thread id trx query
77F LOCK WAIT 2008-01-15 13:10:16 77F:806 2008-01-15 13:10:16 1 876 insert into t09 (D, B, C) values …
77E LOCK WAIT 2008-01-15 13:10:16 77E:806 2008-01-15 13:10:16 1 875 insert into t09 (D, B, C) values …
77D LOCK WAIT 2008-01-15 13:10:16 77D:806 2008-01-15 13:10:16 1 874 insert into t09 (D, B, C) values …
77B LOCK WAIT 2008-01-15 13:10:16 77B:733​:12:1 2008-01-15 13:10:16 4 873 insert into t09 (D, B, C) values …
77A RUN­NING 2008-01-15 13:10:16 NULL NULL 4 872 select b, c from t09 where …
E56 LOCK WAIT 2008-01-15 13:10:06 E56:743​:6:2 2008-01-15 13:10:06 5 384 insert into t2 values …
E55 LOCK WAIT 2008-01-15 13:10:06 E55:743​:38:2 2008-01-15 13:10:13 965 257 insert into t2 values …
19C RUN­NING 2008-01-15 13:09:10 NULL NULL 2900 130 insert into t2 values …
E15 RUN­NING 2008-01-15 13:08:59 NULL NULL 5395 61 insert into t2 values …
51D RUN­NING 2008-01-15 13:08:47 NULL NULL 9807 8 insert into t2 values …

次の表は、重いワークロードを実行しているシステム内の INFORMATION_SCHEMA.INNODB_LOCK_WAITS の内容を示しています。

requesting trx id requested lock id blocking trx id blocking lock id
77F 77F:806 77E 77E:806
77F 77F:806 77D 77D:806
77F 77F:806 77B 77B:806
77E 77E:806 77D 77D:806
77E 77E:806 77B 77B:806
77D 77D:806 77B 77B:806
77B 77B:733:12:1 77A 77A:733:12:1
E56 E56:743:6:2 E55 E55:743:6:2
E55 E55:743:38:2 19C 19C:743:38:2

次の表は、重いワークロードを実行しているシステム内の INFORMATION_SCHEMA.INNODB_LOCKS の内容を示しています。

lock id lock trx id lock mode lock type lock table lock index lock space lock page lock rec lock data
77F:806 77F AUTO​_INC TABLE `test`​.`t09` NULL NULL NULL NULL NULL
77E:806 77E AUTO​_INC TABLE `test`​.`t09` NULL NULL NULL NULL NULL
77D:806 77D AUTO​_INC TABLE `test`​.`t09` NULL NULL NULL NULL NULL
77B:806 77B AUTO​_INC TABLE `test`​.`t09` NULL NULL NULL NULL NULL
77B:733​:12:1 77B X RECORD `test`​.`t09` `PRIMARY` 733 12 1 supremum pseudo-record
77A:733​:12:1 77A X RECORD `test`​.`t09` `PRIMARY` 733 12 1 supremum pseudo-record
E56:743​:6:2 E56 S RECORD `test`​.`t2` `PRIMARY` 743 6 2 0, 0
E55:743​:6:2 E55 X RECORD `test`​.`t2` `PRIMARY` 743 6 2 0, 0
E55:743​:38:2 E55 S RECORD `test`​.`t2` `PRIMARY` 743 38 2 1922, 1922
19C:743​:38:2 19C X RECORD `test`​.`t2` `PRIMARY` 743 38 2 1922, 1922


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