- 14.18.1 InnoDB と memcached の組み合わせの利点
- 14.18.2 InnoDB および memcached の統合のアーキテクチャー
- 14.18.3 InnoDB Memcached プラグインの概要
- 14.18.4 InnoDB memcached プラグインのセキュリティーに関する考慮事項
- 14.18.5 InnoDB memcached インタフェース用のアプリケーションの作成
- 14.18.6 レプリケーションでの InnoDB memcached プラグインの使用
- 14.18.7 InnoDB memcached プラグインの内部構造
- 14.18.8 InnoDB memcached プラグインのトラブルシューティング
memcached デーモンは、MySQL データベースサーバーの前面のインメモリーキャッシュレイヤーとして頻繁に使用されます。InnoDB
memcached プラグインの導入により、MySQL は memcached プロトコルおよびクライアントライブラリを使用して、InnoDB
テーブルに直接アクセスできるようになりました。
InnoDB
memcached プラグインは、InnoDB
テーブルへのデータの自動保管およびテーブルからのデータの自動取得が可能な組み込み型の memcached デーモンを提供し、MySQL Server を高速な「キー/値ストア」に変換させます。クエリーを SQL で作成する代わりに、SQL 構文解析およびクエリー最適化プランの作成のパフォーマンスオーバーヘッドを回避する、単純な get、set、および increment 操作を実行できます。また、簡便性、複雑なクエリー、一括操作、アプリケーション互換性、および従来のデータベースソフトウェアが持つその他の強みを活かすために、SQL を使用して同じ InnoDB
テーブルにアクセスすることもできます。
この 「NoSQL スタイルの」インタフェースは、memcached API を使用してデータベース操作を高速化し、InnoDB
がそのバッファープールメカニズムを使用してメモリーキャッシュを処理します。ADD
、SET
、INCR
などの memcached 操作によって変更されたデータは、変更バッファリング、二重書き込みバッファー、クラッシュリカバリなどの InnoDB
メカニズムを使用してディスクに格納されます。memcached の簡便性と InnoDB
の信頼性および一貫性の組み合わせにより、セクション14.18.1「InnoDB と memcached の組み合わせの利点」で説明されている両方の優れた点がユーザーに提供されます。コンポーネントを互いに組み合わせる方法に関する詳細なアーキテクチャーについては、セクション14.18.2「InnoDB および memcached の統合のアーキテクチャー」を参照してください。