パフォーマンススキーマは現在および最近の待機イベントを収集するためのテーブルを保守し、その情報をサマリーテーブルに集計します。セクション22.9.4「パフォーマンススキーマ待機イベントテーブル」に待機サマリーが基づいているイベントについて説明しています。待機イベントの内容、現在および最近の待機イベントテーブル、および待機イベント収集の制御方法に関する情報については、その説明を参照してください。
各イベント待機サマリーテーブルには、テーブルのイベントの集計方法を示す 1 つまたは複数のグループ化カラムがあります。イベント名は、setup_instruments
テーブル内のイベントインストゥルメントの名前を表します。
events_waits_summary_global_by_event_name
にはEVENT_NAME
カラムがあります。各行は特定のイベント名のイベントを要約します。インストゥルメントを使用して、インストゥルメントされるオブジェクトの複数のインスタンスを作成できます。たとえば、接続ごとに作成される相互排他ロックのインストゥルメントがある場合、接続と同じ数のインスタンスがあります。インストゥルメントのサマリー行は、これらのすべてのインスタンス全体を要約します。events_waits_summary_by_instance
にはEVENT_NAME
およびOBJECT_INSTANCE_BEGIN
カラムがあります。各行は特定のイベント名とオブジェクトのイベントを要約します。複数のインスタンスを作成するためにインストゥルメントが使用される場合、各インスタンスには一意のOBJECT_INSTANCE_BEGIN
値があるため、これらのインスタンスはこのテーブルで個別に要約されます。events_waits_summary_by_thread_by_event_name
にはTHREAD_ID
およびEVENT_NAME
カラムがあります。各行は特定のスレッドおよびイベント名のイベントを要約します。
すべてのイベント待機サマリーテーブルには、集計された値を格納するこれらのサマリーカラムがあります。
-
COUNT_STAR
要約されたイベントの数。この値には、時間付きか時間なしかに関係なく、すべてのイベントが含まれます。
-
SUM_TIMER_WAIT
要約された時間付きイベントの合計待機時間。時間なしイベントは
NULL
の待機時間を持つため、この値は時間付きイベントに対してのみ計算されます。同じことがほかの
値にも当てはまります。xxx
_TIMER_WAIT -
MIN_TIMER_WAIT
要約された時間付きイベントの最小待機時間。
-
AVG_TIMER_WAIT
要約された時間付きイベントの平均待機時間。
-
MAX_TIMER_WAIT
要約された時間付きイベントの最大待機時間。
待機イベントサマリー情報の例:
mysql> SELECT * FROM events_waits_summary_global_by_event_name\G
...
*************************** 6. row ***************************
EVENT_NAME: wait/synch/mutex/sql/BINARY_LOG::LOCK_index
COUNT_STAR: 8
SUM_TIMER_WAIT: 2119302
MIN_TIMER_WAIT: 196092
AVG_TIMER_WAIT: 264912
MAX_TIMER_WAIT: 569421
...
*************************** 9. row ***************************
EVENT_NAME: wait/synch/mutex/sql/hash_filo::lock
COUNT_STAR: 69
SUM_TIMER_WAIT: 16848828
MIN_TIMER_WAIT: 0
AVG_TIMER_WAIT: 244185
MAX_TIMER_WAIT: 735345
...
TRUNCATE TABLE
は待機サマリーテーブルに使用できます。それは、行を削除するのではなく、サマリーカラムを 0 にリセットします。