空間カラムを作成し終わったら、空間データを移入できます。
値は内部幾何形式で格納する必要がありますが、WKT (Well-Known Text)、WKB (Well-Known Binary) のいずれの形式からでも、その形式に値を変換できます。次の例は、WKT 値を内部幾何形式に変換することによって、幾何値をテーブルに挿入する方法を示しています。
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次のように
INSERT
ステートメント内で直接変換を実行します。INSERT INTO geom VALUES (GeomFromText('POINT(1 1)')); SET @g = 'POINT(1 1)'; INSERT INTO geom VALUES (GeomFromText(@g));
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次のように
INSERT
の前に変換を実行します。SET @g = GeomFromText('POINT(1 1)'); INSERT INTO geom VALUES (@g);
次の例では、より複雑な幾何図形をテーブルに挿入しています。
SET @g = 'LINESTRING(0 0,1 1,2 2)';
INSERT INTO geom VALUES (GeomFromText(@g));
SET @g = 'POLYGON((0 0,10 0,10 10,0 10,0 0),(5 5,7 5,7 7,5 7, 5 5))';
INSERT INTO geom VALUES (GeomFromText(@g));
SET @g =
'GEOMETRYCOLLECTION(POINT(1 1),LINESTRING(0 0,1 1,2 2,3 3,4 4))';
INSERT INTO geom VALUES (GeomFromText(@g));
前述の例では、GeomFromText()
を使用して幾何値を作成しています。次のように型に固有の関数を使用することもできます。
SET @g = 'POINT(1 1)';
INSERT INTO geom VALUES (PointFromText(@g));
SET @g = 'LINESTRING(0 0,1 1,2 2)';
INSERT INTO geom VALUES (LineStringFromText(@g));
SET @g = 'POLYGON((0 0,10 0,10 10,0 10,0 0),(5 5,7 5,7 7,5 7, 5 5))';
INSERT INTO geom VALUES (PolygonFromText(@g));
SET @g =
'GEOMETRYCOLLECTION(POINT(1 1),LINESTRING(0 0,1 1,2 2,3 3,4 4))';
INSERT INTO geom VALUES (GeomCollFromText(@g));
幾何値の WKB 表現を使用するクライアントアプリケーションプログラムが、クエリーで正しく作成された WKB のサーバーへの送信を担います。この要件を満たす方法は複数あります。例:
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次のように、16 進リテラル構文を使用して、
POINT(1 1)
値を挿入します。mysql> INSERT INTO geom VALUES -> (GeomFromWKB(0x0101000000000000000000F03F000000000000F03F));
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ODBC アプリケーションは、
BLOB
型の引数を使用して WKB 表現をプレースホルダにバインドし、WKB 表現を送信できます。INSERT INTO geom VALUES (GeomFromWKB(?))
ほかのプログラミングインタフェースも似たようなプレースホルダメカニズムをサポートしている可能性があります。
C プログラムでは、
mysql_real_escape_string()
を使用してバイナリ値をエスケープし、その結果をクエリー文字列に含めてサーバーに送信できます。セクション23.7.7.54「mysql_real_escape_string()」を参照してください。