mysql_plugin ユーティリティーを使用すると、MySQL 管理者は MySQL サーバーがどのプラグインをロードするかを管理できます。サーバーの起動時に手動で --plugin-load
オプションを指定したり、INSTALL PLUGIN
および UNINSTALL PLUGIN
ステートメントを実行時に使用したりする代わりに使用できます。mysql_plugin は MySQL 5.6.3 で使用可能です。
mysql_plugin は、プラグインを有効にするために呼び出されたか無効にするために呼び出されたかによって、プラグインレジストリとして機能する mysql.plugin
テーブルの行を挿入または削除します。(この操作を実行するために、mysql_plugin は MySQL サーバーをブートストラップモードで呼び出します。これは、サーバーがすでに稼働していてはならないことを意味します。)通常のサーバー起動では、サーバーは mysql.plugin
にリストされているプラグインを自動的にロードして有効にします。プラグインの有効化をさらに管理するには、セクション5.1.8.1「プラグインのインストールおよびアンインストール」で説明するように、特定のプラグインを指名する --
オプションを使用します。
plugin_name
mysql_plugin は、呼び出されるたびに構成ファイルを読み取り、単一のプラグインライブラリオブジェクトファイルに含まれるプラグインを構成する方法を決定します。mysql_plugin を呼び出すには、次の構文を使用します。
mysql_plugin [options] plugin {ENABLE|DISABLE}
plugin
は構成するプラグインの名前です。ENABLE
または DISABLE
(大文字と小文字は区別されません) は、構成ファイルで指名されたプラグインライブラリのコンポーネントを有効にするか無効にするかを指定します。plugin
引数および ENABLE
引数または DISABLE
引数の順序はどちらでもかまいません。
たとえば、Linux で myplugins.so
、または Windows で myplugins.dll
という名前のプラグインライブラリファイルのコンポーネントを構成するには、plugin
の値を myplugins
に指定します。このプラグインライブラリに、plugin1
、plugin2
、および plugin3
という 3 つのプラグインが含まれ、これらすべてを mysql_plugin コントロールに構成するとします。規則では、構成ファイルは .ini
というサフィクスおよびプラグインライブラリと同じベース名を持つため、このプラグインライブラリのデフォルト構成ファイル名は myplugins.ini
です。構成ファイルの内容は次のようになります。
myplugins
plugin1
plugin2
plugin3
myplugins.ini
ファイルの最初の行は、.so
または .dll
などの拡張子のないライブラリオブジェクトファイルの名前です。残りの行は、有効または無効にするコンポーネントの名前です。ファイル内の各値は、独立した行に記述するようにしてください。'#'
の文字で始まる行は、コメントとみなされ無視されます。
構成ファイルにリストされたプラグインを有効にするには、mysql_plugin を次のように呼び出します。
shell> mysql_plugin myplugins ENABLE
プラグインを無効にするには、ENABLE
ではなく DISABLE
を使用します。
mysql_plugin が構成ファイルもプラグインライブラリファイルも検出できない場合、または mysql_plugin が MySQL サーバーを起動できない場合は、エラーが発生します。
mysql_plugin は次のオプションをサポートします。これらはコマンド行または任意のオプションファイルの [mysqld]
グループで指定できます。[mysqld]
グループに指定されるオプションに関しては、mysql_plugin は --basedir
、--datadir
、および --plugin-dir
の各オプションを認識し、その他は無視します。MySQL プログラムによって使用されるオプションファイルの詳細については、セクション4.2.6「オプションファイルの使用」を参照してください。
表 4.3 mysql_plugin オプション
オプション名 | 説明 |
---|---|
--basedir | サーバーのベースディレクトリ |
--datadir | サーバーのデータディレクトリ |
--help | ヘルプメッセージを表示して終了 |
--my-print-defaults | my_print_defaults へのパス |
--mysqld | サーバーへのパス |
--no-defaults | 構成ファイルを読み取らない |
--plugin-dir | プラグインがインストールされているディレクトリ |
--plugin-ini | プラグイン構成ファイル |
--print-defaults | 構成ファイルのデフォルトを表示 |
--verbose | 冗長モード |
--version | バージョン情報を表示して終了 |
-
ヘルプメッセージを表示して終了します。
-
サーバーのベースディレクトリ。
-
サーバーのデータディレクトリ。
-
--my-print-defaults=
,path
-b
path
my_print_defaults プログラムへのパス。
-
mysqld サーバーへのパス。
-
構成ファイルから値を読み取りません。このオプションにより、管理者は構成ファイルからデフォルトを読み取るのをスキップできます。
mysql_plugin では、
--no-defaults
をサポートするほかのほとんどの MySQL プログラムとは異なり、このオプションをコマンド行の最初に指定する必要はありません。 -
サーバーのプラグインディレクトリ。
-
--plugin-ini=
,file_name
-i
file_name
mysql_plugin 構成ファイル。相対パス名は、現在のディレクトリに相対的に解釈されます。このオプションを指定しない場合、デフォルトはプラグインディレクトリの
です。ここで、plugin
.iniplugin
はコマンド行のplugin
引数です。 -
構成ファイルからのデフォルト値を表示します。このオプションを使用すると、mysql_plugin は
--basedir
、--datadir
、および--plugin-dir
のデフォルトが構成ファイルにあればそれらを出力します。変数の値が見つからない場合は何も表示されません。mysql_plugin では、
--print-defaults
をサポートするほかのほとんどの MySQL プログラムとは異なり、このオプションをコマンド行の最初に指定する必要はありません。 -
冗長モード。プログラムの動作についてより多くの情報を出力します。このオプションは情報量を増加させるために複数回使用できます。
-
バージョン情報を表示して終了します。