memcached を使用するときは、いくつかの異なる可能な配備戦略とトポロジを使用できます。使用する正確な戦略は、アプリケーションと環境によって異なります。システム内に memcached を配備するためのシステムを開発するときは、次の点に留意してください。
memcached はキャッシュメカニズムに過ぎません。消失したり、別の場所からロードしたりできない情報の格納に使用しないでください。
memcached プロトコルにはセキュリティーが組み込まれていません。最低でも、memcached を実行しているサーバーがネットワークの内部からのみアクセス可能であり、使用されるネットワークポートが (ファイアウォールなどを使用して) ブロックされることを確認してください。memcached サーバーに格納されている情報の機密性が高い場合は、その情報を memcached に格納する前に暗号化してください。
memcached には、どのようなフェイルオーバーも用意されていません。これは、異なる memcached インスタンス間で通信が行われないためです。あるインスタンスに障害が発生した場合、アプリケーションはそのインスタンスをリストから削除し、データを再ロードして、別の memcached インスタンスにデータを書き込む必要があります。
これらのタスクに異なる複数の物理マシンを使用すると、クライアントと memcached 間の待機時間に問題が発生する可能性があります。待機時間に問題が発生した場合は、memcached インスタンスをクライアントに移動してください。
キーの長さは memcached サーバーによって決定されます。デフォルトの最大キーサイズは 250 バイトです。
特にクライアントが複数ある場合は、単一障害点を回避するため、少なくとも 2 つの memcached インスタンスを使用してください。できるかぎり多くの memcached ノードを作成するのが理想的です。memcached インスタンスをプールに追加したり、プールから削除したりすると、キー/値ペアのハッシュ化と分布に影響する可能性があります。問題を回避する方法については、セクション16.6.2.4「memcached のハッシュ化/分布タイプ」を参照してください。