一般統計の出力には、memcached インスタンスのパフォーマンスと使用の概要が示されます。コマンドによって返される統計とそれらの意味を、次の表に示します。
各統計値の値の型を定義するために、次の用語が使用されます。
32u
: 32 ビット符号なし整数64u
: 64 ビット符号なし整数32u:32u
: コロンで区切られた 2 つの 32 ビット符号なし整数String
: 文字列
統計 | データ型 | 説明 | バージョン |
---|---|---|---|
pid |
32u | memcached インスタンスのプロセス ID。 | |
uptime |
32u | この memcached インスタンスの稼働時間 (秒単位)。 | |
time |
32u | 現在の時間 (エポックとして)。 | |
version |
string | このインスタンスのバージョン文字列。 | |
pointer_size |
string | ビット単位で指定されたこのホストのポインタのサイズ (32 または 64)。 | |
rusage_user |
32u:32u | このインスタンスの合計ユーザー時間 (秒:ミリ秒)。 | |
rusage_system |
32u:32u | このインスタンスの合計システム時間 (秒:ミリ秒)。 | |
curr_items |
32u | このインスタンスによって格納された項目の現在数。 | |
total_items |
32u | このインスタンスの存続期間中に格納された項目の合計数。 | |
bytes |
64u | このサーバーが項目を格納するために使用した現在のバイト数。 | |
curr_connections |
32u | 現在開いている接続の数。 | |
total_connections |
32u | サーバーが実行を開始してから開かれた接続の合計数。 | |
connection_structures |
32u | サーバーが割り当てた接続構造の数。 | |
cmd_get |
64u | 取得要求 (get 操作) の合計数。 |
|
cmd_set |
64u | ストレージ要求 (set 操作) の合計数。 |
|
get_hits |
64u | 要求され、存在することがわかったキーの数。 | |
get_misses |
64u | 要求され、見つからなかった項目の数。 | |
delete_hits |
64u | 削除され、存在することがわかったキーの数。 | 1.3.x |
delete_misses |
64u | 削除され、見つからなかった項目の数。 | 1.3.x |
incr_hits |
64u | 増分され、存在することがわかったキーの数。 | 1.3.x |
incr_misses |
64u | 増分され、見つからなかった項目の数。 | 1.3.x |
decr_hits |
64u | 減分され、存在することがわかったキーの数。 | 1.3.x |
decr_misses |
64u | 減分され、見つからなかった項目の数。 | 1.3.x |
cas_hits |
64u | コンペアアンドスワップが行われ、存在することがわかったキーの数。 | 1.3.x |
cas_misses |
64u | コンペアアンドスワップが行われ、見つからなかった項目の数。 | 1.3.x |
cas_badvalue |
64u | コンペアアンドスワップが行われたが、比較対象の (元の) 値が指定された値と一致しなかったキーの数。 | 1.3.x |
evictions |
64u | 新しい項目用のメモリーを解放するためにキャッシュから削除された有効な項目数。 | |
bytes_read |
64u | このサーバーがネットワークから読み取った合計バイト数。 | |
bytes_written |
64u | このサーバーがネットワークに送信した合計バイト数。 | |
limit_maxbytes |
32u | このサーバーで格納への使用が許可されたバイト数。 | |
threads |
32u | 要求されたワーカースレッドの数。 | |
conn_yields |
64u | 接続の生成数 (-R オプションに関連します)。 |
1.4.0 |
ここに示した統計の中でもっとも有用なものは、キャッシュヒット、キャッシュミス、および削除の数です。
get_misses
の数が大きい場合は、キャッシュへの情報移入がまだ完了していないことを示している可能性があります。この数は、時間の経過とともにキャッシュの get_hits
の数に比べて減少します。ただし、長時間の実行後にキャッシュミスの数がキャッシュヒットより多い場合は、キャッシュのサイズが小さすぎるため、メモリーの合計サイズまたは memcached インスタンスの数を増やしてヒット率を向上させる必要があることを示す可能性があります。
キャッシュの evictions
の数が (特に格納されている項目の数に比べて) 多い場合は、キャッシュが小さすぎて、定期的にキャッシュし続ける必要がある情報量を保持できないことを示します。キャッシュ内に項目を保持する代わりに、新しい項目が入るように項目が削除されるため、キャッシュ内の項目の回転率は常に高くなりますが、キャッシュの効率は下がります。